なぜ過去問を練習しないといけないのですか?

過去問を練習しても、無駄じゃないですか?

以前出題されたのだから、もう出ないのではないですか?
それなら、「予想問題」解いた方がよっぽどマシだと思うのですが、どうですか?

こんなことを言う人がいます。
なるほど、なるほど、そう思いますか。

それ、事実誤認です。

でも、その考えは、根本のところで、事実誤認しています。
同じ問題が何回も出ていますよ。

もっとも「同じ」といっても、「そっくり同じ問題」というのではありません。
「同じ考え方」「同じ解き方」「同じ視点」「同じ発想」「同じ問題形式」など、同じものがたくさん出題されています。

ですから、過去問の表面だけを撫でてオシマイにするなら、過去問練習の意味はあまりありません。
確かに「そっくりそのまま」の出題はありませんから。
過去問を練習する「取り組み方」が大切なのです。

ここでは、「なぜ過去問を練習しないといけないか」を中心に書きます。

1,同じ問題は出ないが、使っている解法、理論は同じものが何回も出ている。

この点については、先ほど書いたとおりです。

数学の規則性の問題などは、問題構成から、解き方まで、そっくりです。時々「難しい」問題も出てきますけどね。小学校でやる「植木算」あたりはよく理解しておく必要があります。

社会でも、グラフや表の読み取り方など、「まぁ、よく似てるよね」といえます。

英語の「自由英作文」でも、5回ぐらい練習すれば、「大体こんな感じか」と見当がつきます。
全く練習しないで「自由英作文」を突きつけられたら、かなり戸惑うと思います。入試ですから、時間限定がありますしね。

2,定期試験との違いを実感できる

社会の定期試験では、かなり細かい知識が問われます。
でも、入試ではそれほど細かい知識は問われません。

しかし基本的な知識同士の「関連を理解してるか」が問われます。
流れや仕組みの中に、その知識がきちんと位置付けられているかを聞いてるのです。
似たようなもの、混同しそうなことをはっきりと区別・整理して覚えているかもよく聞かれています。

理科では、その理屈を「根本から理解しているか」が試されています。
例えば、浮力。「浮力はいくらか」という浮力の計算だけでなく、「どうして浮力が生じるの」ということが、具体的問題を通して問われています。
「乾湿温度計で、湿度が分かるのはなぜなの?」も聞かれます。

数学でも、「定型的解法だけで解決できる」ような問題は、あまりありません。基本的な定型的解法を「その場で活用」して解くことが求められています。
早い話、「やり繰り能力」が試されています。

  

そういう能力を鍛えるには、実際に出題された問題を使うのがベストです。だって、「実際に出た」のですから。

3,公立の入試問題は、良問がそろっています。

さすがに練りに練って作られただけあります。良い問題がそろっています。
論理能力を養うのに、ベストです。
高校がほしがっている能力がどんなものかを知ることができます。
その能力が過去問練習することで無駄なく身についてきます。
さらに、知識がどの程度まで必要なのかも自ずと分かってきます。
無駄な暗記練習に時間と汗を費やさなくてすみます。

できれば、大阪の問題だけでなく、「全国の入試問題」にチャレンジして欲しいですね。早い時期から過去問に着手すれば、それはできますよ。

なお、問題集のなかで、思考力を高めてくれるのは、「最高水準問題集」です。
他にもありますが、私が思うところでは、最高水準問題集がベストです。

  

「過去問なんか練習しないよ」とか、「過去問の本を買うのがもったいない」とかいう人が時々います。正味「バッカじゃいの?」と思っちゃいます。

過去問を、もっと使い込んで下さい。